第2回 政策コンテスト 決勝大会実施
『次世代政策サミットJAPANビジョン2050』
2024年10月19日 14:00~19:00 (懇親会含む)
@六本木ヒルズ ハリウッドプラザ ハリウッド大学院大学
2024年10月19日『第2回次世代政策サミットJAPANビジョン2050』決勝大会を開催いたしました。
第2回大会では、雇用賃金・環境地方創生・子ども教育の 3 つの分野から 1 つを選び、日本が目指すべき 2050 年のビジョンを描いて、実現のために日本が行うべき政策アイデアを、35 歳以下に限定して提案して頂きました。
決勝大会では、一次審査・二次審査を通過した 3 チームがそれぞれ審査員の前で政策プレゼンテーションを行い、最優秀賞と優秀賞、奨励賞を決定するとともに、審査員による特別クロストークを実施しました。
そして、最優秀賞を獲得したチーム(ジオポリマーチーム「ジオポリマーで築く持続可能な未来」)は、11月26日に、齋藤健衆議院議員(前経済産業大臣、元法務大臣、元農林水産大臣)に政策提言を実施し、政策アイデアについてディスカッションを行いました。
今回、全国から16チームのご応募、また決勝大会では約 100 名の方にご参加を頂き、審査員の皆さんをはじめ、政策提言先の齋藤健前経産大臣、そして後援や協賛の企業様など、多くの関係者の皆様のご協力の下、大きな滞りもなく成功を収めることができました。
1.概要
・決勝大会 日時:2024年10月19日(土)14:00~19:00(懇親会も含む)
タイムテーブル
13:30 開場
14:00 開会、司会挨拶(司会:加藤みづな)
14:05 主催者挨拶(未来政経研究所理事長 島田光喜)
14:07 来賓挨拶(松下政経塾顧問 金子一也)
14:10 審査員のご紹介
―――第 1 部 決勝プレゼンテーション開始―――
14:15 農業未来チーム
「『地域のための』地域活性化に向けて」
14:40 ジオポリマーチーム
「ジオポリマーで築く持続可能な未来」
15:05 通りすがりの社会人チーム
「科学技術立国として世界をリードする日本を考える」
―――休憩および審査―――――――――――――――
15:30 休憩
―――第 2 部 特別クロストーク―――――――――――
16:00 パネリストご紹介
16:04 テーマ① 『日本の目指すべき 2050 年ビジョンとは何か』
16:17 テーマ②-1『現在の日本における社会課題とその処方箋は? ~雇用賃金×子ども教育~』
16:27 テーマ②-2『現在の日本における社会課題とその処方箋は? ~子ども教育×地方創生~』
16:37 テーマ②-3『現在の日本における社会課題とその処方箋は? ~地方創生×雇用賃金~』
16:47 テーマ③ 『これからの Z 世代に期待すること』
―――休憩および審査―――――――――――――――
16:55 小休憩
―――審査結果発表および講評―――――――――――
17:00 審査結果発表および講評
17:10 アンケート、閉会
―――懇親会―――――――――――
17:30 以降、懇親会(~19:00)
2.第1部 決勝大会 政策プレゼンテーション
【優秀賞(トランスコスモス杯)】賞状&副賞10万円
No.1 『地域のための』地域活性化に向けて
まず、農業未来チームより、「『地域のための』地域活性化について」と題し、農業の担い手を増やすために地方公務員の兼業を促進し、農山村で予算獲得の政策提案をする地域活性化策が発表されました。
本チームは、東北大学公共政策大学院の修士課程に在籍する大学院生3名により、お題となっている3つの分野から「環境地方創生」を選択しての応募となりました。
【決勝大会プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/1RBRnA9nmWI_f8Lphz4D_iPv9LUYrpQtZ/view?usp=sharing
具体的な内容としては、2050年のビジョンとして「『地方で生きる』ことが積極的な選択肢となる社会」を掲げ、今まで農業・農村への関わりが少なかった地方公務員に農業分野での兼業を認め、促進することによって地域のポテンシャルを最大限に発揮するという提言、そして、農山村地域の在り方や生活スタイルの多様化に対応するための「農山村地域政策提案権」を創設し、地域課題の解決を図るための事業を農山村地域から都道府県・市町村に提案できる権利を付与するという提言の2つについてプレゼンテーションが行われました。
質疑応答では、人口減少と職員も減少しているなか、なぜ役場の職員の兼業に目をつけたのかという質問が出た。発表者からは、農村部における地方公務員は都市部に比べて人口に対する割合が多いということが予測されるため兼業することができる人間を確保しやすいと説明がありました。
【最優秀賞(次世代政策サミット杯)】賞状&副賞15万円+政策提言権利付与
No.2 ジオポリマーで築く持続可能な未来
次に、ジオポリマーチームより、「ジオポリマーで築く持続可能な未来」と題し、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、ジオポリマー(セメントを使わないコンクリート)の利用促進政策が発表されました。
本チームは明治大学国際日本学部の大学生1名と徳島県立城東高等学校の高校生1名の2名構成で、お題となっている3つの分野から「環境地方創生」を選択しての応募となりました。
【決勝大会プレゼンテーション資料】
https://drive.google.com/file/d/1o-yhybgd__NOvIvnCA1wwoGzeKpM3S6-/view?usp=sharing
具体的な内容としては、2050年カーボンニュートラルのために産業分野の二酸化炭素削減に取り組む必要があること、特にセメント産業のCO2直接排出量が多いことに着目し、セメントを使わず、また酸に強く耐久性の高い新しいコンクリート素材のジオポリマーを活用し、ステークホルダーが連携しながら、北九州をはじめとした温泉街から実証実験を行っていく促進政策についてプレゼンテーションが行われました。
質疑応答では、なぜジオポリマーを利用する必要があるのかという質問がなされた。発表者からは、ジオポリマーの耐久性のデータ提示による他素材に比べて高い耐久性を持つことの利点や海外展開をすることで北九州市の財源確保にも貢献できると説明がありました。
【奨励賞(政策マネジメント杯)】賞状&副賞5万円
No.3 科学技術立国として世界をリードする日本を考える
最後に、通りすがりの社会人チームより、「科学技術立国として世界をリードする日本を考える」と題し、日本が科学技術立国として世界の中心に立ち、日本から新しい技術を生み出し、いち早く産業化できる環境を創出するための政策が発表されました。
本チームは、社会人2名によって、お題となっている3つの分野から「子ども教育」を選択しての応募となりました。
【決勝大会プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/11qlM6q6YvEdEq0ChuvgEI5U6pyGDRWkd/view?usp=sharing
具体的な内容としては、日本の科学技術力の低下要因として、社会システムの機能不全とスタートアップ人材を育成できない教育システムを指摘した上で、スタートアップ人材の育成から産学官連携で滞留がない循環システムを作るべく、哲学の授業の導入や、モデルケースを知る機会の創出、さらには海外ネットワークへアクセスできる英語教育政策の実現についてプレゼンテーションが行われました。
質疑応答では、GIGAスクール構想や学習指導要綱の変更がある現状の中、次世代のための教育に対してどうコミットしていきたいと考えているかという質問がなされた。発表者からは今後取り組む機会がある際には個人に合わせた教育機会を提供していきたいと説明がありました。
3.第2部 『2050年の未来~JAPAN再生戦略~』
第2部では、審査員を務めて頂いた内閣総理大臣補佐官(雇用賃金)の矢田稚子氏、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長で元総務大臣の増田寛也氏、そして元衆議院議員でトランスコスモス株式会社上席常務執行役員の高山智司氏の 3 名による特別クロストークを実施しました。
第1部での 3 チームによる政策プレゼンテーションを踏まえて、「2050 年の未来~JAPAN 再生戦略
~」と題し、3つのテーマ(①日本の目指すべき 2050 年ビジョンとは何か?②現在の日本における社会課題とその処方箋は?~子ども教育×雇用賃金、地方創生×子ども教育、雇用賃金×地方創生~、③これからの Z 世代に期待すること)について取り上げました。
まず、第1のテーマでは、今回の次世代政策サミットの主題でもある「日本の目指すべき2050年のビジョンとは何か」というテーマを取り上げました。増田氏からは、日本の人口が急速に減少し外国籍の人の増加、大規模自然災害の発生が予見される中で、これまで以上に多様性が発展していくこと、新たな環境への適応が重要になると示して頂きました。高山氏からは、2050年には今の若者世代が自分の実現したいことを実現できる年齢になっていることを踏まえ、一つでも多くの意見が実現される社会にしていくことの必要性を示して頂きました。矢田氏からは、多様な価値観を今の若者が持っていることを踏まえ、年功序列の社会ではなく年齢性別関係なく自身のスキルに応じた賃金体系であるジョブ型の雇用制度の必要性を示して頂きました。
次に、第2のテーマでは、今回のテーマである、「雇用賃金」、「環境地方創生」、「子ども教育」の3つのテーマを掛け合わせてそれぞれ横断的な課題に着目し「現在の日本における社会課題とその処方箋は」というテーマでディスカッションを行いました。
まず、「雇用賃金」×「子ども教育」で、雇用賃金政策の課題と子ども教育政策に与える影響についてご意見を頂きました。世界における日本の教育水準の高さに対して、女性の大学進学における理系選択の低さという課題があるということ、地方における少子高齢化の進行や若者女性の減少という現状を踏まえて、地方における閉塞感や固定観念があるという課題が提起されました。これらの課題に対応するために、一次産業含めて、女性が働きやすい環境を整備することが急務であることや、若者への投資により特に地域における環境格差を是正していくことが必要であるというご意見を頂きました。
次に「環境地方創生」×「子ども教育」で都市部と地方間の教育格差に対してIT教育の活用が寄与できるかという問いに対し、ご意見を頂きました。地域における高等教育機関である大学の経営難の現状を指摘した上で、この経営難を支えるべきであり、大学再建や地域に密着した教育が必要であることや、現在ニーズが高まりつつあるリスキリング教育が今後さらに重要になってくるとのご意見を頂きました。
第三に「環境地方創生」×「子ども教育」で自然災害の多発や今後大規模災害が見込まれる中で都市機能分散が避けることができないこと、広域連携形成の必要性があることをテーマにご意見を頂きました。
自然災害の危機の可能性が高まっている中、自然災害に対して日本全てが崩壊することはないが予防的や災害後のバックアップとして地域単体ずつではなく、自治体間が連携して取り組む必要性や、連携によるコストの削減がなされるべきであるとし、防災をきっかけに広域連携を広めることの重要性があるという指摘がありました。そして、防災啓発がなされる教育の必要性や女性が学びを十分に発揮できる環境を整備することというお話をして頂きました。
最後に、第3のテーマでは、これからのZ世代に期待すること」をテーマに取り上げました。それぞれ審査員からは今回の参加者に向けて、今回の発表で終わるのではなく、各自が掲げた課題に対して当事者意識を持って提案するだけでなく自身がどう参画するかという共通のご意見が寄せられ、2050年には実現したいことを叶えられる機会が誰にでも用意されていると述べ、何者にでもなれるZ世代に期待していると激励のお言葉を頂き、クロストークが終了しました。