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第2回ディベート大会
『政府はマスク着用を義務付けるべきか否か』

  2022年11月27日(日)、第2回ディベート大会を実施しました。ディベート大会では、毎月実施している定例研究会のテーマに即して、会員同士で競技ディベートを行うことによって、論理的思考力や発信力、傾聴力などの強化につなげることを目的としております。

​ 第2回ディベートでは、来月の定例研究会テーマが「社会保障・公衆衛生」ということもあり、感染症対策として「政府が国民に対して、マスク着用を義務付けるべきか否か」という論点を取り扱いました。参加者は、それぞれランダムに配置されるため、例え自らの意見と異なっていたとしても、割り振られた立場になって論理的な主張を展開することとなり、競技ディベートの難しさを痛感した会員もおりました。

 

〇ディベートの概要

【肯定派(義務化すべき)】
立論
・感染症に対してマスクが効果があるということを示す科学的なデータあり。
・飛沫が20%しかでない、アメリカのとある州で義務化したときに45万人もの感染者が減った。
・科学的根拠に基づいて義務化した方が良い。
→公共の福祉と個人の自由のバランス
・コロナは人の命がかかっているところ、公共の福祉(人が死ぬことを防ぐ)
・推奨だけでは、社会の流れとしてマスク着用が進まない。
→感染者が増えて、犠牲者も増える。
・マスク義務化すると、マスクしない人が減る。
→日本でマスクを作ることが、サプライチェーンの問題にもなる。
・マスクのデメリットよりメリットの方が大きい。
・のどの乾燥、女性の化粧の問題などのプラスの効果もある。
・インフルや風邪の予防にもなる。
・マスクをしないことによって、風邪を引いたら経済的な損失、生産性が下がっ  てしまう。

【否定派(義務化すべきではない)】
質疑
・マスク推奨じゃなくて、強制にする必要はあるのか?
・みんなマスクしなくなることはない、日本特有の話、どう思うか。
→みんな従ってるからルールとしないというのは、危うい。
→日本でもマスクをしない人が一定数いて、問題になっていない。
→実効性の問題で、色んなケースを考えると包括的に強制力を持たせた方が     良い。
・強制されたから、つけるのか?(アメリカでは着用義務化してもしない人がい る)
→かもしれないということだけで議論を進めるべきではない
→強制力を持たせることによって、マスクをするようになる層もいる 

→義務化の効果は必ずある。

立論
・義務化に反対
・前提として、国家の強制は暴力の行使を伴う。
・自然権としての殺人(殺人はすべての国民のとって恐怖、国民から権利が一 任されている)、社会契約説  
・コロナは根源的な脅威なのかどうか。
・マスク着用しない権利は存在しない(どちらかというとマスク着用権の非行使)
・権利を行使しないことを国家が強制するべきではない。
・移動する権利や職業選択の権利などの方で権利を制限するべき。
・憲法からして認められない(精神的な自由13条)。
・マスクと感染防止の効果が実証的があるのか。
・公共の福祉には限度がある(超えるのがマスク着用)。
・精神的自由と経済的自由の話になる際、マスク着用は精神的自由(厳格な基 準が適用される)
→目的、手段がはっきりしていて、他の手段では達成できないことを示さないと いけない。

【肯定派】
質疑
・医学的に見たらマスクをするべきということは認めているのか。
→認めている。
・権利の侵害というが、マスクをするコストより、移動や職業選択の移動のほうが権利侵害ではないのか。
・思想信条以外でのコストについてはどう思っているか。
→その尺度がどこにあるのか。経済的な部分にあるのか、精神的な部分にある のかどちらで把握するのは個人にある。
→行為を強制しないことによって、経済的な不利益はあっても、形而上の利益  が害されるだけで、国家は現実にあるコストを敷いて、強制させるべきではない。
→人によって変わってくる基準を切り捨てることは良くない。

【否定派】
反駁
・マスク着用のコストを軽視しているような気がしている。
・マスク着用のコストは人間の尺度により、権利の大小によるため、国家運営の上で一義的に決定するべきではない。
・公共の福祉、命がかかっているからなのか?本当にそうなのか。
・他の話もいろいろかかってくる命の制限がある中で、命がかかっている可能性と現実に個人が着用させれる不利益を比較すると、必ずしも命にかかっているとは言えないのではないか。
・マスク着用の不利益もある中で、どちらの方がメリットがあるのか検証の余地がある。

【肯定派】
反駁
・医学的にデータかマスクした方が良いことは否定側も認めている。
・マスクをした方がいいことには共通理解がとれているので、するべき。
・マスク着用のコスト、どれくらいあるか分からないコストと言いながら、精神的な コストも測定不明である。
・国家が一番大事なことは国民の安全な命を守るということ、命が係わる場合は 強制することは必要なことだと思われる。
・コロナの実態が分からなかったときに、とりあえず対処できる予防策がマスクであった。

・手段が限られている以上、政府がその選択肢を取ることは必要。

​以上

第2回ディベート大会.png
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