第3回 政策コンテスト 決勝大会実施
『次世代政策サミットJAPANビジョン2050』
2025年10月26日 14:00~19:00 (懇親会含む)
@六本木ヒルズ ハリウッドプラザ ハリウッド大学院大学
2025年10月26日『第3回次世代政策サミットJAPANビジョン2050』決勝大会を開催いたしました。
第3回大会では、環境問題・地方創生・社会包摂(DEI)・DX/働き方改革・教育改革の5つの分野から 1 つを選び、日本が目指すべき 2050 年のビジョンを描いて、実現のために日本が行うべき政策アイデアを、35 歳以下に限定して提案していただきました。
決勝大会では、一次審査・二次審査を通過した 3 チームがそれぞれ審査員の前で政策プレゼンテーションを行い、最優秀賞と優秀賞、特別賞を決定するとともに、審査員による特別クロストークを実施しました。また、惜しくも決勝大会進出に至らなかったものの、一次審査を通過したチームの中で優れた政策プレゼンテーションを行ったチームに対して、奨励賞と優良賞を決定しました。
そして、最優秀賞を受賞したチーム(Ctrl+Alt+Delチーム「地域DXを活用した時間の支援システム」)は、12月8日(月)に小渕優子衆議院議員(元経済産業大臣・元少子化対策担当大臣)に政策提言を実施予定です。また、優秀賞を受賞したチーム(次世代リスキリングチーム「地方創生に向けたリスキリングの活用」)は、12月6日(土)にトランスコスモス株式会社を表敬訪問し、高山智司上席常務執行役員(元衆議院議員)と政策ディスカッションを行う予定です。
今回、全国から25チーム67名のご応募、また決勝大会では対面オンライン併せて約 150 名の方にご参加をいただき、審査員の皆さんをはじめ、多くの関係者の皆様のご協力の下、大きな滞りもなく成功を収めることができました。
1.概要
決勝大会
日時:2025年10月26日(土)14:00~19:00(懇親会も含む)
タイムテーブル:
13:30 開場
14:00 開会、司会挨拶(司会:加藤みづな)
14:05 主催者挨拶(未来政経研究所理事長 島田光喜)
14:07 来賓挨拶(トランスコスモス株式会社上席常務執行役員 高山智司)
14:10 審査員のご紹介
―――第 1 部 決勝プレゼンテーション開始―――
14:15 次世代リスキリングチーム
「地方創生に向けたリスキリングの活用」
14:40 Ctrl+Alt+Delチーム
「地域DXを活用した時間の支援システム」
15:05 Re:localチーム
「動く人、動く地域、動く経済」
―――休憩および審査―――――――――――――――
15:30 休憩
―――第 2 部 特別クロストーク―――――――――――
15:50 パネリストご紹介、第一部振り返り
16:00 テーマ① 『日本の目指すべき2050年ビジョンとその現在地』
16:15 テーマ② 『憧れと誇りを持てる日本になるために必要な人財は何か?~国際性とAIから考える~』
16:30 クロストーク総括
―――休憩および審査―――――――――――――――
16:35 小休憩
―――審査結果発表および講評―――――――――――
16:40 審査結果発表および講評
16:50 閉会挨拶(Google合同会社公共政策・政府渉外担当シニア・マネージャー 手塚功)
17:00 アンケート、閉会
―――懇親会―――――――――――
17:20 以降、懇親会(~19:00)

2.第1部 決勝大会 政策プレゼンテーション
【優秀賞(トランスコスモス杯)】賞状&副賞10万円+トランスコスモス株式会社表敬訪問
No.1 地方創生に向けたリスキリングの活用
まず、次世代リスキリングチームより、「地方創生に向けたリスキリングの活用」と題し、地方大学の職業実践力育成プログラム(BP)を軸に、効果の“見える化”と社会的機運の醸成でリスキリングを地方創生につなげる提案が発表されました。
本チームは、東北大学公共政策大学院の修士課程に在籍する大学院生3名により、お題となっている5つの分野から「地方創生」を選択しての応募となりました。
【決勝大会プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/1mr3ng6iEo5uezAScF8Rju90c9C5uh7ZN/view?usp=sharing


2050年のビジョンとして「いつでも・どこでも挑戦・学習ができる社会」を掲げ、地方における労働人口流出と経済停滞を関連づけながら、地域経済を成長させるためには労働生産性の向上に対応できる人材の育成が重要であると提言がなされました。
この人材育成を実現するために、大学と提携したリスキリングに焦点を当て、リスキリングの認知から効果測定までを一体的に行う仕組みを構築し、リスキリングに対する懸念の払拭や社会的機運の醸成までをパッケージ化した政策提言を発表しました。
質疑応答では、「地方大学間においてリスキリングに関する授業がどの程度設置されているか」という質問が出ました。発表者からは、各地方において少なくとも一つ以上の大学で地域特性に即した授業が設置されている一方、授業の集中は関東地域に偏っているという回答がなされました。
【最優秀賞(次世代政策サミット杯)】賞状&副賞15万円+政策提言権利付与
No.2 地域DXを活用した時間の支援システム
次に、Ctrl+Alt+Delチームより、「地域DXを活用した時間の支援システム」と題し、地域DXを活用し、子育て世代の“時間の貧困”を解消する地域共育プラットフォームを構築する提案が発表されました。
本チームはご夫婦2名構成で、お題となっている5つの分野から「社会的包摂(DEI)」を選択しての応募となりました。
【決勝大会プレゼンテーション資料】
https://drive.google.com/file/d/1QkpJbML678AOJROk6Be0qYefs6UrPN86/view?usp=sharing


子育てをリスクではなく「安心」として捉え、「助けて」を伝えやすい社会構築を目指す「共育できる社会」をビジョンとして提言が行われました。
子育て期における親の「時間の貧困」や、子育てに対する若年層のリスク意識を課題と捉え、DXを活用した地域共育社会プラットフォームの構築を発表した。地域サポーターと連携し、DXを通して安全性を担保しながら、顔の見える関係を基盤とする「共育」の機会を創出する仕組みが説明されました。
質疑応答では、「DXのシステム運用は国と地方のどちらが主体となるのか」という質問があり、発表者からは、日本全体で地域連携を視野に入れ、国が大枠を設計した上で、地方自治体が主体的に運営していく方向性であるとの回答がなされました。
【特別賞(テンミニッツアカデミー杯)】賞状&副賞10万円
No.3 動く人、動く地域、動く経済
最後に、Re:localチームより、「動く人、動く地域、動く経済」と題し、定住に依存せず、人の往来と専門人材の循環で地方と都市のボーダーをなくす“人口還流社会”を実現する提案が発表されました。
本チームは、東京大学公共政策大学院の修士課程に在籍する大学院生2名により、お題となっている5つの分野から「地方創生」を選択しての応募となりました。
【決勝大会プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/1HRLerHgVYnJZLoFP3_XqnT4lbdH8LPzJ/view?usp=sharing


「地方と都市における地域間格差を感じない社会」をビジョンに掲げ、人口の地域間競争を課題と捉えた政策提言が行われました。
具体策としては、単なる来訪にとどまらず、地域体験を行った場合にその一部を給付金として補助する「Go To地方」や、地域特性に応じた活性化を図るための地方創生専門家派遣制度(RDAP)の導入が提案されました。
質疑応答では、「観光地に地域間格差が存在する場合、どのように誘致を進めていくのか」という質問があり、発表者からは、情報格差を解消するための統一的なプラットフォームの整備、近隣地域との連携、観光中に体験できる新たな機会の創出などを検討している旨の回答がなされました。
【奨励賞(政策マネジメント研究所杯)】賞状&副賞5万円
regionチーム
次世代人材の育成
【プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/1wCFVfmQ11EgcukVnM5mdGFxIQCf489Fm/view?usp=sharing
【優良賞(入賞)】賞状
京都大学公共政策大学院・政策提言ゼミ
外国にルーツを持つ子どもと保護者を包摂するプラットフォーム機関の創立
【プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/1tHRCz8Ilph_Q24hmE6LLCHhoRtD2XGDt/view?usp=sharing
チルドレンファーストチーム
開かれた学校~誰もが潜在興味を実行に移せる社会へ~
【プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/1w5fvh37WgetepN1DHqSyeJmNxroMJZ8G/view?usp=sharing
結びの駅・未来プロジェクトチーム
地域交流レストラン
【プレゼン資料】
https://drive.google.com/file/d/16W5cNMKVDIiHEmurpyhlcaPTLvV0QvyP/view?usp=sharing
3.第2部 クロストーク『2050年の未来~JAPAN再生戦略~』
第2部では、審査員を務めて頂いた元法務大臣の牧原秀樹氏、放送大学学園理事長で元文科省初等中等教育局長の髙橋道和氏、そして経団連総務本部副本部長でCHACHY代表の大山みこ氏の 3 名による特別クロストークを実施しました。第1部での 3 チームによる政策プレゼンテーションを踏まえて、「2050 年の未来~JAPAN 再生戦略~」と題し、2つのテーマ(①日本の目指すべき2050年ビジョンとその現在地、②憧れと誇りを持てる日本になるために必要な人財は何か?~国際性とAIから考える~)について取り上げました。
まず第1のテーマでは、審査員が考える2050年のビジョンと、それに関連する現状課題の深掘りを行いました。高橋氏からは、国民一人ひとりのワークライフバランスを充実させることが重要であり、そのためには日本の幸福度を向上させつつ、環境・経済・地方創生などの社会課題に対して政策を講じていく必要があるとの見解が示されました。大山氏からは、どのようなライフステージにおいても多様性を発揮できる社会を形成し、性別に関係なく男女ともに自己肯定感を高め、能力が適切に評価される環境を醸成することの重要性が指摘されました。牧原氏からは、日本が直面する少子高齢化や地方創生などの課題に年齢を問わず挑戦できる社会をつくり、日本人が誇りを持ち、世界から憧れを抱かれる国を再興することが今後のビジョンとして必要であると述べられました。
次に第2のテーマでは、「国際化の進展とAIの台頭の中で、どのような人材が“憧れ”や“誇り”を持つ日本に必要か」という論点について意見が交わされました。高橋氏は、情報が急増する社会においてAIが人間の仕事を代替する懸念があるため、AI技術を学び続け、それを活用できる人材の育成が不可欠であると述べました。大山氏は、異なる文化や環境に身を置くことが「自分らしさ」を再考する契機となり、自らの強みを発揮し、非言語情報を駆使して存在価値を示し、他者の評価を社会的価値としてアウトプットできる人材が求められると指摘しました。牧原氏は、国際的に活躍できる人材とは、自国を理解し語ることができるとともに、相手国の文化も尊重できる人材であると述べました。
最後に第3のテーマでは、第2のテーマで示された人材が培うべき「ソフトスキル」と「ハードスキル」について議論が行われました。異文化に触れ、他者を理解しようとする姿勢を持つこと、また第二言語を恥じることなく自信を持って使用することの重要性が強調されました。さらに、「自分自身と向き合うこと」「苦手ではなく強みを伸ばすこと」「挑戦を続け、その挑戦を社会全体で後押しすること」といったメッセージが審査員から会場全体に送られ、クロストークは締めくくられました。




